- 外灘(バンド)は中国語で外滩(Wàitān)といい、黄浦江沿いに続く上海の歴史ある河岸の遊歩道で、全長は約1.5kmです。
- 19世紀後半から20世紀前半に建てられた、保存状態の良い西洋風建築52棟で有名です。
- 川の対岸には近代的な陸家嘴のスカイラインが広がり、外灘は古い上海と新しい上海が出会う場所となっています。
- 水辺の散策や黄浦江クルーズのほか、税関ビルや旧香港上海銀行ビルなどのランドマークを眺めるのがおすすめです。
- 外灘は地下鉄、バス、フェリーで簡単に行くことができ、最も便利なのは南京東路駅です。
上海を代表する水辺の遊歩道・外灘は、中国で最もダイナミックな大都市を訪れる旅行者にとって必見のスポットです。外灘を訪れると、世界有数の大都市の歴史と現代の躍進を垣間見る、忘れられない体験ができます。
一方の岸には保存された植民地時代の建物、もう一方の岸には未来的なスカイラインが並ぶ外灘は、中国のおすすめ観光地のひとつに数えられます。ゆっくり歩き、川クルーズを楽しみ、それぞれの建物の裏にある物語に少し思いを巡らせてみてください。
このエリアは文化的・歴史的にも見どころが豊富で、中国で中国語を学ぶときに、現地ならではの背景に触れたい方にぴったりの立ち寄りスポットです。ここでは、何をして何を見ればよいか、そして訪問をより充実させるコツをご紹介します。
01 外灘(バンド)の概要
外灘(バンド)は外滩(Wàitān)とも呼ばれ、中国・上海にある保護指定を受けた歴史的な河岸エリアで、全長は0.93マイル(1.5km)です。黄浦江の西岸に沿って走る中山路(中山路 Zhōngshānlù)の東側部分に沿って広がっています。
外灘の歴史
植民地時代、西洋列強は中国を支配し、貿易と西洋人の居住のために門戸を開かせようと、さまざまな試みを重ねました。清朝政府は、これに抵抗しました。
しかし、1842年に第一次アヘン戦争でイギリスに敗れた中国は、上海を含む5つの主要港を対外貿易に開放せざるを得なくなりました。その結果、イギリスは現在の外灘がある黄浦江沿いに居留地を構える権利を得たのです。
1863年、イギリスとアメリカが協力して共同租界を設立し、外灘はさらに発展しました。1860年代から1930年代にかけて、外灘は上海全体で最も政府の保護を受けた外国人の拠点でした。
19世紀後半には、イギリス植民地様式や新古典主義の建物が外灘沿いに建てられました。20世紀初頭には、香港上海銀行(HSBC)や中国通商銀行など、主要な金融機関の事務所が入るビルが建設されました。
現在の外灘には、さまざまな建築様式で建てられた西洋風の歴史的建造物が数多く並んでいます。
02 外灘が有名な理由
外灘が有名なのは、19世紀後半から20世紀初頭に建てられた52棟の西洋風歴史的建造物が立ち並ぶからです。ロマネスク、バロック、ゴシック、ルネサンス、新古典主義復興様式を代表する建物が含まれています。
この建築群には、かつてアジアティック・ペトロリアム社の事務所が入っていた亜細亜大楼(アジア・ビルディング)や、当初は保険会社が入居し、現在はショッピング施設となっているユニオン・ビルディングがあります。旧HSBCビルは、現在は上海浦東発展銀行が入っています。
外灘のもうひとつの注目の建物が、招商銀行ビルです。52棟の歴史的建造物は全体として、西洋の植民地支配がこの街の歴史と発展に果たした役割を今に伝えています。
今日、これらの建物は生きた博物館であり、全体として中国を訪れる旅行者に最も人気の高い観光地のひとつとなっています。
03 外灘でぜひやりたいこと
外灘には魅力がたっぷり詰まっています。由緒あるこの通りで人気の名所やアクティビティを、以下のリストでチェックしましょう。
1. 外灘を散策する
52棟の歴史的建造物の建築美を堪能するなら、それらが並ぶ全長1.5km(0.93マイル)の川沿いを歩くのが一番です。所要時間は約2時間半ですが、上海で最も思い出に残るひとときになるかもしれません。
外灘を散策すれば、時代を超えて佇む建築群を巡りながら、黄浦江の向こうに広がる陸家嘴の象徴的なスカイラインを眺められます。スカイラインには、上海タワーや東方明珠塔など、上海を代表する有名な建物が並びます。
天気が変わることもあるので、水と傘かレインコートを忘れずに持って行きましょう。
2. 黄浦江クルーズを楽しむ
2時間半も歩くのは気が進まないという方は、黄浦江のフェリークルーズがおすすめです。外灘の歴史的建築と陸家嘴の近代的な高層ビル群の対比に、思わず見入ってしまうでしょう。
節約しながら地元の人のように外灘を楽しみたいなら、外灘から浦東へ黄浦江を渡るフェリーに乗る方法もあります。わずか2人民元で、川の両岸を楽しめます。
あるいは、近代的な船で黄浦江をクルーズし、上海の伝統料理を味わうこともできます。クルーズは30~50分で、昼夜運航しており、30分のクルーズで料金は約150元(22ドル)です。
フェリーでも豪華クルーズでも、乗船するなら夜がおすすめです。日が暮れると、上海のきらびやかな光が水面に最も壮麗な景色を描き出します。
3. 黄浦公園でのんびり過ごす
長い散策やクルーズの後は、黄浦公園で一息つきましょう。ここは小さなオアシスで、上海でも指折りの静かな場所です。
手入れの行き届いた青々とした芝生は、涼んだり、瞑想したり、すてきな写真を撮ったりするのにぴったりです。
4. 地元の人の運動風景を眺める
外灘の水辺には広い歩道が続き、地元の人にとって運動に最適な場所です。夜明けや夕暮れに訪れれば、朝のジョギングや夕方の太極拳(太极拳 tàijí quán)をする上海の人々に出会えるでしょう。
離れて見学してもいいですし、余分なカロリーを消費したければ飛び入りで参加することもできます。外灘での運動は、地元の暮らしを肌で感じられる刺激的な体験です。
5. パノラマ写真を撮る
外灘は、上海の印象的なスカイラインをパノラマで撮影できる絶好の場所です。
水辺の遊歩道に立ったり、黄浦江クルーズに乗ったりすれば、対岸の象徴的な建物を見事な写真に収められます。たとえば、上海タワー、金茂タワー、上海ワールドフィナンシャルセンターなどです。
04 外灘の見どころ
外灘を訪れる人の多くは、写真を撮ったり、歴史的建築物のファサードを眺めたりするだけで帰ってしまいます。しかし、時間をかけて建物の内部を鑑賞したり、ほかの見どころを巡ったりすれば、体験はさらに一段と深まります。
建物の多くは現在も使用されているため、常に見学できるとは限らない点にご注意ください。とはいえ、外灘でも特に歴史ある建物の多くは、ロビーの中をのぞくことができる場合が多く、それがまた興味深いものです。
1. 旧HSBC(香港上海銀行)ビル
旧HSBC(香港上海銀行、Hong Kong and Shanghai Banking Corporation)ビルは、1923年頃から1955年までHSBCの本店として使われた、地上6階建ての新古典主義建築です。この堂々たる建物は、かつて世界で2番目に大きな銀行建築であり、極東では最大でした。
現在、12号に位置するこの建物には上海浦東発展銀行が入っています。グローバル化の歴史に関心のある人なら、きっと魅了されるであろう建築の傑作です。
最大の見どころは、エントランスホールの大きな中央ドームを備えたデザインです。ドームには、香港、東京、ロンドン、ニューヨーク、バンコク、パリ、カルカッタなど、HSBCが支店を構えていた主要な貿易都市の風景がカラフルなモザイクで描かれています。
1923年頃のバンコクやカルカッタの街並みがどんな様子だったか気になるなら、この建物はぜひ訪れたいスポットです。
2. 税関ビル
税関ビルは1927年に建てられた8階建ての建物です。旧HSBCビルのすぐ隣、13号にあり、ロンドンのビッグ・ベンをモデルにした象徴的な時計塔で知られています。
興味深いことに、税関ビルは今も税関として機能しています。旧HSBCビルとともに、外灘、ひいては上海全体の象徴とされています。
3. 外灘の牛(上海の牛)
「上海の牛」として親しまれている外灘の牛は、高さ3.2メートル(10.5フィート)、長さ約5.2メートル(17フィート)で、ウォール街の牛像とほぼ同じ大きさです。
イタリア系アメリカ人の彫刻家アルトゥーロ・ディ・モディカが手がけた外灘の牛は、中国経済の活力を表しています。世界金融危機の直後の2010年に、上海経済の力強さとエネルギーを映し出すものとして外灘に設置されました。
4. ガツラフ信号塔
外灘気象信号台とも呼ばれるガツラフ信号塔は、高さ36.8メートルのアール・デコ様式の信号所で、もともとは黄浦江の天気予報や台風警報を伝えるために建てられました。何度か建て替えられていますが、最初の塔が建てられたのは1865年です。
現在、塔の1階には外灘の歴史に関する博物館があり、2階にはcaféがあります。
5. 外灘観光トンネル
外灘観光トンネルは、外灘と対岸の浦東地区を結ぶ海底ならぬ川底の通路です。1998年に着工し、2000年に開通しました。
開通以来、黄浦江の対岸を探索したい観光客に人気です。トンネル内の冒険に添えられる音と光の演出もきっと気に入るでしょう。
浦東までの所要時間は3〜5分で、周囲を360度見渡せます。料金は片道約50元、往復70元で、利用時間は午前8時から午後10時までです。
6. 和平飯店
和平飯店は、外灘で最も重要かつ有名な歴史的建造物のひとつです。旧上海を象徴する存在であるこのアール・デコの傑作は、数々の映画や小説の舞台となり、世界中の著名人を数多く迎えてきました。
和平飯店は、実は2つの建物からなっている点にご注意ください。1つ目は、もとはパレスホテルだったスウォッチ・アート・ピース・ホテル、2つ目は、現在も高級ホテルとして営業しているフェアモント・ピース・ホテルです。
宿泊しない場合でも、6つある高級レストランのどれかで食事をしてみてはいかがでしょうか。1階の大部分は見学でき、小さな博物館では建物の歴史を紹介しています。
文化的背景とともに中国語を学ぶ
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05 外灘を訪れるのに最適な時間帯
外灘を訪れるなら、晴れて空気の澄んだ日の午前か午後が一般的におすすめです。天気がよいと、川の向こうに見える陸家嘴の眺めがいっそう絵になります。
歴史的建造物の内部を見学したい方は、平日の営業時間内に訪れるとよいでしょう。
06 外灘へのアクセス
外灘へはバス、フェリー、地下鉄で行けます。出発前に旅行で使える中国語フレーズをいくつか覚えておくと、道を尋ねるときにぐっとスムーズです。
バスで
中山公園から133路または135路のバスに乗ります。
フェリーの場合
浦東から黄浦江を渡るフェリーに乗ります。
地下鉄の場合
外灘に直結する地下鉄駅はありませんが、上海地下鉄で近くの南京東路駅(南京东路站 Nánjīngdōnglù Zhàn)まで行けます。2番出口から出て、象徴的な東方明珠塔の方向へ約10分歩くと外灘に着きます。
07 外灘で食べたいもの・飲みたいもの
外灘周辺には、高級レストランから地元の食堂まで、多彩な飲食店が揃っています。ぜひ足を運んで、中国屈指の美食を味わってみてください。
ぜひ試したいのは、蟹の蒸し物、北京ダック、豚の角煮です。スープ餃子や中国緑茶のポットと一緒にどうぞ。
外灘やその周辺のレストランの多くはかなり高めなので、予算を抑えたい方は避けたほうがよいかもしれません。
08 周辺の見どころ
外灘を見て回ったあとは、近くのいくつかの名所にも足を延ばせます。
南京東路(南京东路 Nánjīngdōnglù)
上海で最もにぎやかな通りである南京東路には、高級ショッピングモールや地元の食堂、有名ブランド店が立ち並んでいます。
500軒以上の店があり、中国の伝統工芸品から現代的な雑貨まで、さまざまなショッピングが楽しめます。
外白渡橋(外白渡桥 Wàibáidù Qiáo)
外灘(バンド)の近くで夕日を眺めるなら、外白渡橋に勝るスポットはありません。蘇州河に架かる、西洋人の設計による歴史ある鋼鉄製の橋です。英語では「Garden Bridge」とも呼ばれ、現在の橋は1907年に建設されました。中国に現存する唯一のキャメルバック・トラス橋です。
この橋からは、外灘(バンド)と上海全体の素晴らしい景色を一望できます。テレビ番組や映画の撮影スポットとしても人気で、中国の小説にもたびたび登場しています。
豫園(豫园 Yùyuán)
豫園(ユーユエン)は、有名な蘇州の庭園を手本につくられた緑のオアシスです。趣ある池や橋、築山の間に点在する、数多くの中国の古典建築を楽しめます。
面積2万平方メートルのこの庭園は明代にさかのぼり、上海を離れずに中国の伝統的な造園を学びたい人にぴったりの場所です。見学のあとは、地元の飲食店や工芸品店が並ぶ有名な通り、近くの豫園商城にもぜひ立ち寄ってみてください。
09 上海と外灘に役立つ語彙
次の用語を覚えておくと、このガイドに登場する地名やランドマークを見分けられ、現地で話題にすることもできます。
| 中国語 | ピンイン | 意味 |
|---|---|---|
| 外滩 | 外灘(バンド) | |
| 上海 | 上海 | |
| 黄浦江 | 黄浦江 | |
| 陆家嘴 | 陸家嘴(上海の近代的な金融街) | |
| 东方明珠 | 東方明珠塔 | |
| 中山路 | 中山路 | |
| 南京东路 | 南京東路 | |
| 豫园 | 豫園 | |
| 外白渡桥 | 外白渡橋(ガーデンブリッジ) | |
| 太极拳 | 太極拳 |
10 外灘:上海の過去と未来が出会う場所
外灘は、よく保存された西洋風の歴史的建築と、陸家嘴の近代的なスカイラインの絶景が楽しめる、まさに上海の中心です。上海で過ごせる時間が数時間しかないなら、ぜひここで過ごしてください。
外灘は、東洋と西洋、過去と未来が出会う場所です。上海を象徴するスポットのひとつを、ぜひ訪れてみてください。
上海を訪れたら、近隣の都市にも足を延ばすと、現代中国をより多面的に理解できます。蘇州、杭州、烏鎮など近隣都市の旅行ガイドも、旅の計画にお役立てください。

