- 大人になってからでも中国語は学べます。30歳から始めても、70歳から始めても同じです。
- 年齢の影響が出やすいのは、主にアクセントと新しい単語の覚えやすさです。ただ、上達を止めるほどではなく、ペースが少し落ちる程度です。
- 大人はパターンを見つけたり、計画に沿って学んだりするのが得意で、どちらも中国語の学習に大いに役立ちます。
- 脳の研究では、大人の脳も第二言語を学ぶ中で変化し続けることがわかっています。
- 日常会話ができるようになるまでには、フルタイムの没入学習なら約半年、パートタイムでコツコツ続けるなら数年かかります。
はい、大人になってからでも中国語(普通話)は学べます。最善の方法は、声調を直してくれる先生について週に何度も学習し、数週間ではなく数か月続けることです。年齢の影響は主に発音に表れます。遅く始める人も大勢います。Go Overseasのページで年齢を明かしている93人のレビュー投稿者のうち、20人は投稿時に50歳以上でした。
これから始める方は、中国語は難しいのかという記事や、現実的な中国語の学習計画の立て方もあわせてご覧ください。
大人が中国語(普通話)を学ぶ場合、特に声調や発音では、子どもより意識的な努力が必要です。でも、大人には子どもにはない強みもあります。
01 大人の中国語学習:変わること、変わらないこと
年齢に関する研究結果は、一般的なイメージよりも大人にとって明るいものです。
言語学習は子ども時代を過ぎると「閉じてしまう」という考えは言い過ぎです。2018年、Hartshorne、Tenenbaum、Pinkerの3氏は、オンラインクイズで669,498人の英語の文法力を調べました。文法の習得能力は17歳ごろまで保たれ、その後は少しずつ低下しました。ネイティブ並みの文法に到達するには、10〜12歳ごろまでに始める必要があるそうです。つまり子どもに有利な面はあるものの、低下は緩やかで、18歳や50歳で学ぶ力がなくなるわけではありません。
それに、大人のほとんどはネイティブのように話す必要はありません。会話ができて、自力で移動できれば十分で、それは子どものころに始めたかどうかに左右されません。
年齢の影響が最もはっきり出るのは発音です。中国語は声調言語で、音節の音の高低のパターンによって単語の意味が変わります。そのため初心者は中国語の声調と声調変化に多くの時間をかけます。聞き取りは思ったより早く身につくかもしれません。Wang、Potter、Saffranによる2020年の研究では、大人は1か月の授業で中国語の声調をはっきり聞き分けられるようになりました。発音には練習が必要で、早い段階で直してくれる先生がいれば大きな時間の節約になります。
02 大人は自分で思う以上にできている
年齢と言語の話題では、大人が失ったものに目が向きがちです。でも、中国語の学習では大人ならではの強みもたくさんあります。
例を比べてその背後にあるルールを導き出したり、計画に沿って学び、わからない部分に気づいて戻って直したりできます。中国語は、そうした考える学び方が報われる言語です。
量詞を例に見てみましょう。中国語では、数字と名詞の間に小さな語を入れるのが普通です。本()は本に、杯()はカップに使い、个()は日常で使える汎用的な量詞です。大人がこの仕組みの考え方をつかめば、残りの量詞は単なる語彙の問題になります。
漢字も同じです。最初は難しそうに見えますが、繰り返し出てくる部分とその意味に気づくようになると、ぐっと楽になります。
たとえば、水を表す部品氵は、水に関係する多くの漢字に使われています。河(、川)、湖(、湖)、海(、海)などです。こうしたパターンが見えてくると、中国語はぐっとでたらめに感じなくなります。
大人には、これまでの人生で培った経験という強みもあります。レストランでの注文や仕事の会議がどう進むかをすでに知っていれば、あとはそれを表す中国語を覚えるだけです。ただ、初級向けのテキストは若い学生を想定して作られています。ある学生は評価アンケートに、会話の多くが学校や子どもに関する内容で、年配の人にはあまり当てはまらないことがある、と書いていました。そんなときは、自分の関心のあるトピックに差し替えてほしいと先生に頼んでみてください。Go Overseasのレビュアーの一人(当時55歳)は、CLIの先生たちが「私の興味に合わせて内容をカスタマイズしてくれた」と書いています。
03 大人の脳でも中国語は学べる?もちろんです。
たしかに、脳は年齢とともに変化します。処理速度は少し落ち、ワーキングメモリも20歳のころほど冴えないと感じることがあります。それでも、大人の脳は中国語を学ぶ力を十分に備えています。
第二言語を学ぶ大人を対象にした脳画像研究(末尾に一覧があります)では、学習が進むにつれて脳が適応していく様子が示されています。2022年のある研究では、大学生(平均年齢21歳)が約3年間中国語を学んだ後、読みに関わる領域の灰白質が増えていたと報告されています。ただし、若い成人の結果から50歳の学習について分かることは多くありません。
年配の学習者からは、記憶力への不安をよく耳にします。Go Overseasのレビュアーの一人は、初めて学んだ外国語が中国語で(コミュニティカレッジで1年、その後CLIで6週間)、こう書いています。「私は54歳で、記憶力がひどく悪いので、ほとんどの人よりずっと多くの時間を勉強に費やさなければならないと思います。」同じレビューで彼は、「皆さんが私にとても辛抱強く、親身に接してくれました」と述べ、ネイティブスピーカーと基本的な会話をするという目標を「達成し、さらに上回ることができた」とも書いています。大人の学習はより意識的なものなので、反復を多めにし、続けやすい習慣を作る計画を立てましょう。
このやり方は中国語の語彙学習に向いています。电(、電気)を覚えると、関連する語も覚えやすくなります。たとえば电话(、電話)、电脑(、コンピューター)、电影(、映画)です。新しい単語が、すでに知っている単語にひもづいていくのです。
大人が中国語を最も効果的に学べるのは、明確な構成と十分な反復があるときです。
04 大人が中国語を習得するには、どれくらいかかる?
かかる期間は、主に1週間あたりの学習時間で決まり、年齢はあまり関係ありません。
米国の外務職員研修所(FSI)は、英語を母語とする人にとって中国語(標準中国語)を最も難しいグループ(カテゴリーIV)に分類しており、仕事で使えるレベルに達する目安を88週間、授業時間にして約2,200時間としています。つまり、中国語は長期的な取り組みです。とはいえ、役に立つことを言えるようになるまでに2,200時間が必要という意味ではありません。実際の体験談として、銀行勤務10年のあとに中国語へ転身した学生のForget Your Fearsと、元大使が奥様と桂林で学んだThe Secret of CLIをご覧ください。
この目安は、中国語で仕事をする必要のある外交官向けの、フルタイムの訓練を想定したものです。大人の学習者の多くはパートタイムで学び、まずは日常会話を目指します。
では、初心者にとって現実的な目標とはどのくらいでしょうか。それは、どのくらいの頻度で学習するか、そしてリアルタイムでフィードバックを受けられるかによって変わります。
| 週あたりの学習時間 | 一般的な形式 | 日常会話までのおおよその期間 |
|---|---|---|
| 30〜40時間 | フルタイムのイマージョン | 6〜12か月 |
| 12〜20時間 | 集中的なパートタイム学習 | 1〜2年 |
| 6〜10時間 | 無理のないペースで続けるパートタイム学習 | 2〜3年 |
| 3〜5時間 | 軽めでも継続する学習 | 3〜5年 |
| 1~2時間 | ときどき行う独学 | ゆっくりで、進み方にムラがある |
これらはあくまでおおまかな目安です。大事なのは、たまに集中して頑張るより、毎週コツコツ続けるほうが効果的だということです。
週に4回、30分ずつ学ぶ人のほうが、週に1回2時間学ぶ人よりも、たいてい上達します。間隔を空けた復習こそが、新しい単語を記憶に定着させるからです。
目安が欲しい方には、HSK試験制度が役立ちます。CLIのHSKレベルガイドを読めば、「中国語を学びたい」という思いを、いくつもの小さな目標に分けることができます。
進むべき道をもっとはっきりさせませんか?
オンラインのマンツーマンレッスンや、桂林での中国語イマージョンプログラムを通して、大人に合った中国語学習がどのようなものかをご覧ください。
05 大人はどう中国語を学ぶべきか
成果を出している大人の学習者には、たいてい続けている仕組みがあります。その中心となるのが、次の6つの習慣です。
- 最初の単語と並行して、発音から始めましょう。ピンインをきちんと身につけ、声調にしっかり時間をかけてください。ここは初心者が何か月も得をするか、無駄にするかの分かれ目です。基本がわかったら、次は中国語(標準語)の声調変化のガイドがおすすめです。
- 文法は地図として使いましょう。中国語の文法は、動詞の語尾変化を覚えなくてよいなど、多くの初心者が思うより簡単な面もあります。ただし語順は重要なので、基本のパターンをいくつか早めに覚えておくと大いに役立ちます。中国語文法の入門ガイドもご覧ください。
- 間隔反復で復習しましょう。Ankiのようなツールは、忘れそうなタイミングの直前に各単語をもう一度表示してくれるので、単語や漢字が記憶から抜け落ちるのを防げます。
- 1週目から話して聞き、読むことも早めに始めましょう。ごく簡単な中国語をすぐに使い、毎日数分でもゆっくりした音声を聞いてください。ある学生は評価アンケートに、同年代の他の学生と同じく、話すことと聞くことがいちばん大変だったと書いていました。漢字とも同時に親しんでいきましょう。
- 短い学習時間で、回数を増やしましょう。ある年配の学生は評価アンケートで、2時間は「年老いた頭には」長く感じるので、1時間のレッスンのほうが合うと提案していました。同じ思いなら、先生に伝えてください。繰り返せる習慣は、一時的なやる気の爆発に勝ります。
- リアルタイムでフィードバックをもらいましょう。アプリも役に立ちます。ただ、話を聞いてくれる先生がいれば、声調や言い回しははるかに早く直り、自信も大きくつきます。
漠然と「流暢になる」ことを目指すより、まずは役に立つ単語100語と10個の文型、そして初めての短い実際の会話を目標にしましょう。小さな成功が大人の学習を支えます。
06 上達はふつうどう感じるものか
初心者は上達が滑らかに進むと思いがちですが、たいていはそうなりません。
最初は、中国語がばらばらの部品(声調とピンイン、基本の単語、語順、漢字)の寄せ集めのように感じられます。しばらくすると、それらがつながり始めます。考えなくてもフレーズが口から出たり、先月習ったパターンにまた出会ったり、いくつかの漢字が絵のようには見えなくなり、読めるようになったりします。
その後に来るのが、ゆっくりとした中間期です。わかることが増えたぶん、まだわからないことの多さにも気づく時期です。大人はこの段階を失敗だと受け取りがちですが、言語学習では普通のことで、やがて過ぎていきます。
この時期には、毎週決まった時間のレッスンがいちばん効果的です。勉強する気になれない週も、続けるきっかけになるからです。
07 FAQ:大人の中国語学習
はい。20代をとうに過ぎても、中国語は順調に上達します。Go Overseasのレビュー投稿者には、68歳や70歳で書き込んだ学生もいます。年齢はアクセントや定着の速さには影響しますが、日常会話に到達できなくなるわけではありません。
ある面ではそのとおりです。大人にとって、ネイティブのような発音は一般に難しいものです。一方で、計画を立てる力やパターンを見つける力は大人のほうが優れており、これは中国語学習では確かな強みです。
漢字をすぐにマスターする必要はありませんが、あまり後回しにしすぎないようにしましょう。最初から1日数文字ずつ学ぶのがおすすめです。中国語の漢字の学び方のガイドから始めてみてください。
簡単な日常会話は、高度な運用力よりずっと早く身につきます。目安は、フルタイムで約6〜12か月、週6〜10時間なら2〜3年です(上の表を参照)。現実的な初心者向けのロードマップがあると役立ちます。初心者向け中国語学習プランをご覧ください。
08 大人の学習者としての次の一歩
というわけで、大人になってからでも中国語は学べます。
10歳のときよりも優れた学習システムが、おそらく必要になります。反復を増やし、声調やリスニングにも根気強く取り組む必要があります。
無理なく続けられる習慣をつくり、良い教材を使い、毎週先生からフィードバックをもらえれば、30歳でも50歳でも70歳でも、着実な上達は十分に現実的です。
加油():その調子で続けましょう。
| 中国語 | ピンイン | 翻訳 |
|---|---|---|
| 中文 | 中国語(言語) | |
| 普通话 | マンダリン/標準中国語 | |
| 声调 | 声調 | |
| 量词 | 量詞 | |
| 个 | 汎用の量詞 | |
| 本 | 本を数える量詞 | |
| 杯 | コップやグラスを数える量詞 | |
| 汉字 | 漢字 | |
| 河 | 川 | |
| 湖 | 湖 | |
| 海 | 海 | |
| 电 | 電気 | |
| 电话 | 電話 | |
| 电脑 | コンピューター | |
| 电影 | 映画 | |
| 加油 | 頑張って/あなたならできる |
10 主な参考文献
- Hartshorne, Tenenbaum & Pinker (2018): A critical period for second language acquisition: Evidence from 2/3 million English speakers. 研究を見る →
- Li, Legault & Litcofsky (2014): Neuroplasticity as a function of second language learning: Anatomical changes in the human brain. 研究を見る →
- Wei et al. (2024): White matter plasticity during second language learning within and across hemispheres. 研究を見る →
- Tu et al. (2022): Increased gray matter volume induced by Chinese language acquisition in adult alphabetic language speakers. 研究を見る →
- Baciu & Roger (2024): Finding the Words: How Does the Aging Brain Process Language? A Focused Review of Brain Connectivity and Compensatory Pathways. 研究を見る →
- Meltzer et al. (2023): Improvement in executive function for older adults through smartphone apps: a randomized clinical trial comparing language learning and brain training. 研究を見る →
- Wang, Potter & Saffran (2020): Plasticity in second language learning: The case of Mandarin tones. 研究を見る →
- 米国国務省/外務職員研修所(Foreign Service Institute):中国語(普通話)の外国語研修の目安。資料を見る →
- Tabibian et al. (2019): Enhancing human learning via spaced repetition optimization. 研究を見る →

